症状代替(Symptom substitution)
症状代替(Symptom substitution)とはフロイトによって提唱された精神分析理論の一つです。
APAによると、
治療の結果、解消された症状に代わって、ある症状が発現すること。元の症状の原因である無意識の衝動や葛藤に効果的に対処していない場合に生じると言われている。
とされています。
つまりある病気や症状が出たときに、その症状自体は治るものの、また別の病気や症状を罹患する、ということです。
本当にこんなことがあるのでしょうか?
臨床的には見られるものの、この現象についての科学的・量的研究があまりないために多方面からの批判もあるようです。
フロイトは自身が提唱したイド、エゴ、スーパーエゴ(id, ed, superego)の理論からこの現象を捉えました。
もともと発症していた病気を「葛藤」ととらえ、この葛藤は、無意識の衝動と、意識的なエゴの抑圧との間に生じると考えました。
治療とは、この葛藤を抑圧することなります。治療は、精神科医や臨床家によって行われるのはもちろん、自己の意識下のエゴの作用によるものも含みます。
しかしこの葛藤は消えることはありません。
フロイトはこの葛藤がまた別の症状として体現されると考えました。これが症状の代替です。
参考情報
APA symptom substitution (https://dictionary.apa.org/symptom-substitution)
Mind hack Whatever happened to symptom substitution? (https://mindhacks.com/2008/07/26/whatever-happened-to-symptom-substitution/)