心理研究ノート

教育心理学系の院進学を目指す学部4年です。勉強のための研究ノートです。

クライエント中心療法(Client-centered approach)

クライエント中心療法(Client-centered approach)はロジャーズが創始した心理療法です。

指示的治療から、非指示的治療へ

ロジャーズが研究をしていた1940年代当初、精神分析や診断は「指示的な方法や解釈」を主としていました。

しかし、ロジャーズはそのような権威的な両方を批判し、「非指示的な傾聴技法」を開発しました。

 

実現傾向の促進

さらにロジャーズは、人間には元来「実現傾向(actualizing tendecy)」が備わっていると考え、クライエント自身の実現傾向を最大限に発揮することを治療の目的としました。

実現傾向とは、

人に備わっている

基本手基本的動因として、成長・健康・適応に向かい、有機体を維持し強化する傾向

です。

 

クライエント中心療法の条件

ロジャーズは上記に述べた、非指示的カウンセリングにおいて、クライエントの実現傾向を促進するための治療法を「クライエント中心療法」としました。

その条件を6つにまとめています。

①クライエントに対する無条件の肯定的配慮

②クライエントに対する”共感的理解

③セラピストが自身の感情を否定することなく意識化できており、かつその内容を必要
であれば表現できるという自己一致した状態にあること

(セラピストの3条件)

④クライエントとセラピストが心理的接触をもっていること

⑤クライエントは現実の体験と自己像が不一致で不安な状態にあること

⑥セラピストの無条件の肯定的配慮と共感的理解がクライエントに伝達されていること

 

参考情報

子安増生・丹野義彦・箱田裕司 (2021)『有斐閣現代心理学辞典』有斐閣