心理研究ノート

教育心理学系の院進学を目指す学部4年です。勉強のための研究ノートです。

サヴァン症候群(savant Syndrome)

サヴァン症候群(savant Syndrome)とは、自閉症をはじめとするさまざまな発達障害を持つ人が、驚くべき能力や才能を発揮する稀な疾患です。

先天性(遺伝的なもの)の場合もあれば、小児期以降、あるいは大人になってから後天的に発症する場合もあります。

 

自閉症の約10人に1人〜3人が何らかのサヴァン能力をもっていると言われています(Happé, Wallace, 2012)。逆にサヴァン症候群の約50%が自閉症と診断されているという結果もあります(Treffert, 2010)。
したがって、すべてのサヴァン能力が自閉症であるわけではなく、また、すべての自閉症患者がサヴァン能力者であるわけでもありません。

 

サヴァン能力には、さまざまな種類があります。

最も一般的なサヴァン能力は、スプリンター能力と呼ばれるものです。

例えば、音楽やスポーツの雑学、ナンバープレート、地図、歴史的事実、掃除機のモーター音などの曖昧なものに執着し、それを記憶するような行動が含まれます。

また「才能のあるサヴァン」という、特に高い技能をもった人のことを指す言葉があります。才能のあるサヴァンの中には、音楽、芸術、数学、その他の特殊技能が、通常、単一の専門領域などで特化した技能をもっています。

このような特殊技能の高い閾値を満たす天才的なサヴァンは、現在、世界中に75人以下しかいないそうです。

 

参考情報

F. Happé, G.L. Wallace(2012) Encyclopedia of Human Behavior (Second Edition)

Treffert, D. A. (2010). Islands of genius: The bountiful mind of the autistic, acquired, and sudden savant. Jessica Kingsley Publishers.

SSM Health. Savant syndrome (https://www.ssmhealth.com/treffert-center/conditions-treatments/savant-syndrome)