集合的無意識(Collective unconscious)
集合的無意識(Collective unconscious)は、ユングが唱えた理論です。
継承された本能的な傾向の意識的な現れであるアーキタイプの識別
(the identification of archetypes seen as conscious manifestations of inherited instinctive tendencies)
や
人の先祖代々受け継がれてきた記憶の貯蔵庫
(storehouse of memories inherited from a person's ancestral past)
とされています。
ユングは、フロイトの弟子として無意識の概念をさらに深化しました。その中で、心の構造を、「意識的自我」、「個人的無意識」、「集合的無意識」の3つの大きな構造に概念化しました。
中でも集合的無意識は、すべての人に共有され、時間をかけて発展し、時代を超えて世代から世代へと受け継がれてきた無意識で、一般的な知恵の集合知も含むとされています。
集合的無意識の主な役割は、ある状況に対して、ある方法で反応するように個人を仕向けることができることです。これによって、個人を最大限に成長させることができるといいます。
例えば、個人の集団が集まるときはいつでも、何らかの社会秩序を確立しようとする自然な傾向も集合的無意識の一つです。このような知識は(遺伝的知恵)は世代から世代へと受け継がれるため、個体は新しい世代ごとに一からやり直す必要がなく、人間の生存のための作業がより容易になるという利点があります。
参考情報
B.J. Carducci,(2016) Encyclopedia of Mental Health (Second Edition)
Solomon, M. R. (2004). Consumer psychology. Encyclopedia of applied psychology, 1, 483-492.